三井不動産の企業分析

みなさん、こんにちは。今日は三井不動産について分析してみたいと思います。三井不動産は日本を代表する不動産会社で、六本木にある東京ミッドタウンや豊洲のららぽーとなどの有名ショッピングモールを保有していることで有名です。また三井アウトレットなどのアウトレットモールは週末には行列ができる人気ぶりですし、また最近では東京ドームを傘下に加えるニュースも発表され、ますますその影響力は大きくなりそうな気配がします。またホテル事業や住宅・マンション事業なども展開しており、我々の生活にも関わりが深い不動産会社ではないかと思います。

三井不動産の業績

まずはじめに三井不動産の業績を確認したいと思います。詳細は下記のとおりですが、ここ数年は右肩上がりに業績を伸ばしており、売上にあたる営業収益は2020年度3月度で1.9兆円で利益の方も1800億円ととんでもない数字になっています。

三井不動産コーポレートサイトより

コロナ禍の2021年度の通期予想をみると営業収益が1.9兆円、利益が120億円となっています。売上は前年とほぼ同水準ですが、利益の方は予想が120億円なので前年に比べると10分の1以下の水準まで下がっています。ただコロナ禍で赤字を計上するどころか、倒産する企業もあるなかで120億円の利益を確保できるのは本当にすごいと思います。コロナ禍でも東京ドームの買収のように積極的に投資していますし、東京ドームなどはコロナ禍がおさまれば必ず収益をあげると思いますので、コロナ禍後にはさらなる飛躍も期待できます。盤石の経営基盤とはまさにこのことだと思います。2021年度進捗についてはこちらの四半期財務ハイライトのページに詳細が記載されていますので、興味ある方はご確認ください。

三井不動産での仕事

三井不動産での仕事は下記の4つのフェーズとオフィス・商用施設・ホテルリゾートなどの事業領域で決まるようです。不動産・デベロッパーの仕事は時間軸が長いのが特徴。用地取得に何年もかかることもありますし、企画してから実際に施設が完成するまでにまた数年かかることもあります。どのプロジェクトに配属されるかで大袈裟な言葉でいうと人生を左右することになりそうです。逆にいうと一つのプロジェクトの規模が大きく、社会に与える影響が大きいことが魅力ともいえそうです。

用地取得

企画

営業

運営

三井不動産の採用数

こちらのサイトにある人事データによると採用数は下記のとおりのようです

2016年度2017年度2018年度
新卒414442
キャリア9833

採用数は新卒が中心のようですが、やはり数自体は多くなく狭き門であることがうかがえます。また男女比率でいうと、ざっくり6:4から7:3の間ぐらいでしょうか。不動産業界というと男性が多い印象がありますが、若い世代では女性の比率も高くなってきているようです。

またキャリア採用は毎年10人程度の採用でこちらもまた狭き門でしたが、気になるのは2018年のキャリア採用の33人です。こちらについては、急激に増えている印象がありますが、これは近年デジタル人材の採用を強化しているためではないかと思います。来たる将来スマートシティや5Gといった最新テクノロジーと不動産の融合というのはよく耳する話ではありますが、それを実現するためには今までの不動産業界にいた人材だけでは実現することができないので、積極的にエンジニアに近い職種の人材を積極的に採用しているようです。なので中途採用が2018年より急激に伸びているのではないかと思います。今まで、不動産業界に就職するチャンスがなかった別業界の人にもチャンスだと思います。

三井不動産のスコア

キャリア充実度

キャリア充実度は9ポイントです。三井不動産は総合職採用ですので、どの部署・どの職種で配属されるのかはコントロールでき部分がありますが、若手のうちはジョブローテーションで様々な仕事をとおして不動産に関わる知識・経験を包括的に得られます。一部の職種のみを集中して行うことで短期的にはその道のスペシャリストとなることができると考えることができますが、例えば賃貸仲介だけを続けているとその地域の賃貸事情などに精通することはできても、不動産に関連する事業全体、用地取得・企画・建設・運営など包括的な知識は身につきません。おそらく時間はかかると思いますが、包括的な知識・経験は中長期的にみると他社では身につかない業界通しても貴重な人材となることができるのではないかと思います。

ワークライフバランス

配属される部署やプロジェクトによるところは大きいと思いますが、必要に応じて長時間残業や休日出勤はある職場だと思います。近年のワークライフバランスを見直す風潮やコロナ禍で大きく変わってきているところはあるようですが、先進的な外資系企業のようにはなっていないようです。

待遇充実度

日本の企業としてはトップクラスの待遇ではないかと思います。一部の高年収で知られる外資系企業と比べると給与面で見劣りする部分もありますが、実際は様々な手当て・福利厚生・年金などあるので正直差がないのではないかと思います。また中長期的には外資系企業よりは長く働くことができるので、待遇的にも中長期の視点で見れば本当にトップクラスだと思います。

入社難易度

新卒での入社は商社や広告と並ぶぐらいの人気企業であるが、実際の採用人数という点では商社などよりも少ないので難しいかもしれない。不動産という業界が絞られているため、挑戦する人が商社より少ないかもしれないのでそのあたりは微妙であるが、いずれにしても国内でトップクラスに入社が難しい企業であることには変わりがないと思う。

業界安定度

中長期的の安定している業界だと思う。今後は人口減少で空き家なども多くでるなど社会課題に関わるところで、不動産業界のチャンスはでてくると思う。また、テクノロジーと言う観点では過去20年はソフトウェア・インターネットが中心であったけれども、今後はスマートシティという言葉に代表されるようにドローンや5G、車の自動運転を前提としたまちづくりなど不動産とテクノロジーを融合したアイデアなどが求められると思います。そういう意味でも業界としてはビジネスチャンスも多いのではないかと思う。またそのような構想を実現できる不動産会社というのは数が限られるので、三井不動産としては追い風ではないかと思います。